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当事者家族体験談・7 断酒会とは【お酒での問題のある方】
最終更新日:令和3年4月3日
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内容 | 『飲まなくても幸福で いられます。』 つくばね会家族会会員
MR(家族) 夫、は、現在六十七歳で、断酒して十四年目になります。 良くぞここまでという気持ちで一杯です。というのは、当時の夫の有様は、本当にひどいもので、私は怒ったり・泣いたりの毎日でした。その為、私の体調が急に悪くなり、私の通っているクリニックの先生に、相談したところ、FK病院を紹介して頂きました。 二〇〇二年の六月に夫は直ぐに入院しましたが、本人にあまり自覚がないまま、自主退院してしまったのです。ですから直ぐにスリップし、翌年の二○○三年に、二度目の入院となりました。約一・五ヶ月の、入院期間中、私はやっとグッスリ眠れる様になり、「このままずっと入院しててくれればいいのに」と思いました。どれ程毎日緊張して生活をしていたのか、気付かされました。 話の順番が、逆になりましたが、二度目の入院に至るまでの、経緯をお話します。十五年前、夫は五十一歳だったと思います。何と一週間に二度、交通事故を起こしました。勿論二回とも飲酒運転でした。一度目の事故は、会社の近くで大型トラックに少しばかり衝突し、運転手さんに数万円受け取って貰い、内密にしてしまったそうです。その三日後、中央分離帯の鉄柱に衝突して、車は大破しました。これにより自分の車と、自動車屋さんからお借りしていた代車も廃車となりました。県の土木事務所に、中央分離帯の修理費を払い、警察には、罰金三十万円を払いました。一ヶ月に約百万円のお金を使いました。でも本人は無傷で、人身事故で無かった事が、何よりホッとしました。この時には、事態の重大さに少し気付いた様子で、私にしがみついて「情けない。」と言って泣きました。それで二度目の入院となりました。二度目の入院は心して、真面目に取り組んでくれて、院内例会・院外例会にも、積極的に参加していました。退院してすぐに、千葉県の断酒新生会に、入会させて頂き、夫婦での例会通いが始まりました。 ある時、こんな事がありました。つくもの例会から帰ってきて直ぐ、時間は夜十時を過ぎていたでしょうか、夫が外に出て行くので何気なく様子を見ていると、道路脇の草むらの中に隠しておいた、お酒のビンを取り出してラッパ飲みしたのです。私に見つかったのに気付くと、直ぐまた草むらに隠しました。その時の言葉は今でも忘れません。「だんだんとゆっくり止めていく。」私はこの言葉にあきれて何も言えませんでした。 と同時に、「これは本当に恐ろしい病気なんだ。治る見込みの無いなら、共にこの先、生きていけるだろうか。」と悲しく絶望的な気持ちでした。とにかく例会に二人で通おうと決意し、私は私で、FK病院で月二回開かれている、家族教室に六年間通い続けました。この家族教室で学んだ事は、その後大きな力となりました。この病気の正確な知識と、対応策について、教えて頂きました。その一例をお話しますと、 ◎アルコール依存症者の心理 ◎家族の誤った対応と、共依存について ◎回復のプロセスと、再発の予防 ◎暴れている時の対応の仕方 ◎歪んだ考えをする理由 ◎家族の回復について など他にも沢山の内容を学ぶことが出来ました。これらは本当に大きな助けとなり、頑張る気力を何とか保つ事が出来ました。つくもの例会は片道一時間半かかりましたが、例会に通い続けることが前進する力となり、お陰様で断酒の生活を送る事が出来ています。 今では夢のような穏やかな生活です。当時主人が口癖の様に言っていたのは、「K市に断酒会を創りたい。K市にも多くの助けを必要としている、人達がきっといる。」という思いで、K断酒新生会を新規に発会したのは、大きな喜びでした。そして今、夫はその為に毎日熱心に活動しています。性格的には真面目な夫ですので、やり出した事は根気強くやります。今はK市保健センターでの酒害相談も行なっています。この様に書きますと、良い変化だけのようですが、実はとても困惑している事があります。断酒会活動に一生懸命になる反面、家族への思いやりが実に淡白です。私の体調や、気持ちに全く無関心に見えます。私にはそれがどうしてなのか分かりません。気持ちを言い表すのが、苦手なのは分かりますが、ここ何年も旅行はもちろん、二人で外食をしたり、買物すら共に行くこともありません。私が「一緒に行きたいと、」申しますと、とても嫌な顔をして連れて行ってくれません。これはお酒を飲んでも、飲まなくても関わりなくあるのですからたまりません。以前は飲まないでいてくれれば良いと思っていましたが、これからますます年を重ねていき、お互いに助けが必要となるでしょう。これから、コミュニケーション能力を高めることは、難しいのでしょうか? それも、これも断酒してくれているお陰なので、感謝しなければなりません。私は聖書を学ぶクリスチャンですので、夫に敬意を示さないことを『罪』と学んでいます。ですから心の中で苦々しい気持ちが、何年も消えない事が本当に苦しかったです。尊敬したくても出来ないことに、嫌気がさして「死」を考えた事も、一度や二度では有りませんでした。 そんな時、例会でご家族の方に声を掛けて頂き、何とかやってこられました。奥様たちから「皆、一緒ですよ。うちはもっとひどかった。でも何時までも同じ状況ではないのよ。」と言って下さったのは、大きな励みとなりました。そんなこんなの十四年間ですが、今残念に思う事があります。私たちには、四十二歳の娘がいますが、今でも独身です。親の大変さ、特に私の苦しみを、ずっと見てきた為か、結婚に対して希望を持てないのでしょう。私も娘に何度も助けて貰ったので、子供らしく甘えたり出来なかったかもしれません。何でもしっかり考えることは良い事ですが、いわゆる、アダルトチルドレンにさせてしまいました。今更どうしょうも無いとは思いますが、親として悔いが残ります。 アルコール依存症は、家族ぐるみの病気です。口では言えない思いが溜まってきます。でも例会でも、家族教室も同じ仲間ですから、聞いて下さいます。是非、思いを語って頂きたいと思います。学ぶことが沢山あります。これまで多くの方々に助けて頂いたことを考えると、私にも何か少しでも出来ることが有るかも知れません。 夫と共に、これからも宜しくお願いします。 |
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